- コンピュータ技術職チーム
- 青年海外協力隊(JOCV)
バングラデシュのIT最前線から
第5回:『SOFT EXPO 2011』に見るバングラデシュIT事情
前回コラムでお伝えした『ITEEコンテスト』。今回はその結果からご報告したいと思います。
コンテストの事前・事後共に、新聞・TVといったマスメディアに数多く取り上げられ、バングラデシュのIT人材や関連各方面から大変な注目を浴びるイベントとなりました。また、準備段階からコンテスト当日に至るまで、日本・バングラデシュ双方の官庁機関・民間企業・大学等から多大なご協力を頂き、お陰様で成功裏に終えることができました。
受験者は大学及び民間企業から計269名を数えましたが、合格率が11.52%を示したことこそ注目に値します。この数値は、既にITEEが導入されている国々に匹敵するものです。IT技術を測る国家試験の存在しないバングラデシュにおいて、全く新しい試みだったにも関わらずのこの結果。正直なところ「なんとか5%以上は・・・」と考えていた私自身、驚かされました。協賛していただいた日本企業の方々も同じ思いだったようで、驚きの声が上がっていました。バングラデシュのIT人材のポテンシャルを、日本をはじめ諸外国に示しうる、非常にポジティブな結果になったと捉えています。また、今後のITEE導入過程を考えると、両国の産官学が一体となってこのイベントを成功させたことに、大きな意義を感じます。
さて、話は変わりますが、BASIS(バングラデシュのソフトウェア協会)主催による『SOFT EXPO 2011』が、2月1日-2月5日の期間、ダッカで開催されました。 2003年に始まり、今ではバングラデシュ最大のITイベントとなっている当EXPOですが、当国のITセクターの高成長を反映し、年々盛り上がりを増しています。今年は昨年と比較して参加企業/団体数も明らかに増え、来場者への見せ方もより個性的になり、華やかさが感じられました。
このEXPOに今回、私たちJOCVコンピュータ技術チームも、株式会社エヌ・ウェーブと協働でブースを出展しました。エヌ・ウェーブ社はバングラデシュで事業を展開している日本のIT企業です。私たちが進めているITEE導入推進活動についても応援して下さっており、日頃からアドバイスをいただくなどお世話になっています。ブースではITEEのPRを中心に、当国におけるJICAとエヌ・ウェーブそれぞれの事業紹介を行いました。 初日には科学情報通信技術大臣のヤーフェス・オスマン氏も来訪、私たちのブースにもお越し下さいました。大臣はITEE導入推進について、以前より肯定的に捉えて下さっており、ITEEコンテストでもスピーチして頂いた経緯があります。
ブース内テーブルでは常時、「ITEEミニテスト」と称して5問/10分間のチャレンジ試験を実施していたのですが、これが順番待ちも発生する大人気。IT技術者の知識を問う試験だけに、技術者ではない一般の方からは時折「難しい・・・」という声も聞かれましたが、それでも5日間で11名の全問正解者が出ました。挑戦者には全員に折り鶴をプレゼント、これも大好評でした。
ITEEを取っ掛かりに、日本文化を織り交ぜながらバングラデシュの方々と交流したこの5日間。出展目的であるITEEのPRについて手応えを感じると共に、あらためて日本に関心を向けてもらうという意味でも貴重な機会となりました。
ITEEは、日本発でありながらアジア全域にも展開している国家試験であり、また受験料も国の実情に応じて安く設定できる為(たとえばベトナムではUS$15)、バングラデシュにも非常に適していると言えます。この試験の導入により、日本をはじめアジア各国との間に様々なビジネスチャンスが生まれていくことが期待できますし、裕福とは言えない層に属する方々の可能性も大きく広がります。
バングラデシュのIT人材育成やITセクターへの協力、並びにそれらの活用検討は今、旬を迎えていると思います。ITEEもこの機を逃さず導入したいものです。
前回・今回とITEEに関する話が続きましたが、これに限らず、今後も日バ双方の状況とニーズを掴みながら、日本人エンジニアの立場から『デジタル・バングラデシュ』に貢献していきたいと思います。
(文責: JOCV 21-2コンピュータ技術/(株)ベインキャリージャパン社員 雨宮弘幸)


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